延原ゼミのCD「ベストパフォーマンス2008」

おかげさまで在庫は終了しました!!

音源とジャケットをとおして内容をお知らせします。



















このCDの製作は、
森威功先生率いる洗足学園音楽大学・森ゼミの
梅田麻美子さん、宮内佑衣さん、萩原悠さん、丸山美佳さん、
牧嶋謙さん、大木慶太さん、阿部健吾さんが手掛けてくれました。



また、このCDの録音の際に機材の使い方について、
洗足学園音楽大学・総合業務部の石川成章さん(写真)に
ご指導やアドヴァイスをいただきました。








これが、その録音です!(曲名を押すと音源のページに跳びます)



Friend Like Me*

イべール作曲「木管五重奏のための三つの小品」より第1曲

We're All Alone*

モーツァルト作曲 歌劇「フィガロの結婚」よりスザンナとマルチェリーナ「喧嘩の二重唱」

フォーレ作曲「パヴァーヌ」Op.58*

A Whole New World*


* 印は、ゼミ生の編曲によります。







この CDについて、音楽評論家の那須田務先生から
ご講評をいただきましたのでお知らせします。




 延原ゼミの皆さんへ

 皆さんのCD拝聴しました。
 編曲といい、演奏といい、とても学生の作ったものとは思えない出来栄えに驚いています。でも、
ジャケットのアートワークやライナーノートは手作り感があって、これもまた、立派にインディーズ
†1)
としての初々しさがあっていいですねえ。(なんのこっちゃ?)
 "Friend Like Me”は大矢君のジャズ風の編曲が本格的。三森さんと角川さんのジャジーな演奏も
ごきげんです。
 イベールの《木管五重奏のための3つの小品》の皆さんも上手!僕らの学生の頃(うん十年前の
ことです)と比べると技術的には比べるべくもありません。ちなみに小生はフルート少年でした。
僕らの頃は音を出すのに思い入れがありすぎて、あるいは、ごちゃごちゃ考えすぎて、こんなに
軽やかに演奏できませんでした。「ソノリテ」
†2)をあまりにも重要に考え過ぎるからです。「音」と
いうのはある意味で想念、つまり演奏家の想いや意識みたいなものですから、その扱いは難しい。
なぜなら、その演奏家のことがすべて表れ出てしまう、大変に正直なものだからです。その人の人柄や
日頃どんな生活をしているのか、どんな体験をして、どんなことを考えているかまで。そんなことを
いうと、なんだか「オーラのなんとか」みたいですが、もちろん江原さんのように具体的なことがわかる
わけではありません。でも、その音を聴くことで聴き手が何かを感じることは確かなのです。是非とも
聴き手に何かを語りかける音を目指しましょう。そうすると演奏により一層の求心力が出てきます。
それにはこれから十年、二十年と音楽に向かいあい、様々な人生経験を積むことが必要となるでしょう。
道程は長い。でも大丈夫です。君たちには出来ます。
 ボズ・スキャッグスの"We're all alone"。壊しいです。なんたって僕が皆さんくらいの頃によく聴いた
音楽ですから。レコードも持ってました。2本のアルト・サックスといういうのも粋じゃないですか。
「二人だけ」なんてね。あ、ピアノを忘れていました。
 《フィガロの結婚》の二重唱。浅野さんと金山さん、精一杯歌っていて、聴いていて気持ちがいいです。
でもちょっと力が入りすぎているかな。発声のことは先生から散々言われているでしょうから余計な
ことですね。ひょっとしたら、イタリア語の一つ一つの単語の意味をもっと意識して歌うといいかも
しれません。スザンナやマルチェリーナが怒っている表情などが、CDを聴いているだけで見える
ようだったら、しめたものです。
 フォーレの《パヴァーヌ》はフルート×2にサックス、ホルン×2にピアノという編曲がユニークです。
フランスのリッチで華やかな色彩感がよく出ていますし、全体のテクスチャー
†3)もすっきりしている。
演奏の方もアフェクト
†4)がとてもよくまとまっていて、説得力があります。
 最後がメンケンですか。最初と最後が同じ作曲家でキメるなんて、一枚のアルバムとしてドラマ
トゥルギー
†5)上の戦略を感じさせます。2本のフルートとピアノという編曲も楽器の音色にぴったり
ですし、その演奏も気持ちが乗っていて最高です。
 小生、コンサートやCDを毎日浴びるように聴いて、せっせと音楽についての原稿を書いている
生活をしていますが、このCDの演奏から伝わるような、新鮮な感銘はなかなか得られません。
ほんの少し、胸キュンを味わいました。どうもありがとう。
 これからもがんばって、いろんなことにいっぱい感動して(音楽や本や映画や旅行など)、いっぱい
練習して、皆さんの音をいっそう輝かせてください。応援しています。
那須田務(音楽評論)

P.S.聞きなれない言葉があったら、延原先生に説明してもらってください。






〈注釈〉
†1)自主制作したCD
†2)音色、響き
†3)書法、声部の扱い、文脈
†4)楽譜に意図された表現
†5)構成上の意図、構成法

学生レベルで説明を要しそうな用語のみ、音楽上で使われる意味を補足してみました。(延原)




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