延原ゼミは、すでにプロやセミプロが演奏している場を借りて、プロさながらに演奏会を積み重ねることにより、 プロ意識を育むことを目的としています。学生であることの利点は、実際は忙しい合間を縫って行われる打ち合わせなどが 入念にできることや、ひとつの演目において時間をかけてリハーサルを行えることが挙げられます。そして、それらのことは 演奏面のみならず、会場に合わせた演出、音響、照明、司会、広報に至るまで、ほとんどのことを自前でできるのです。 さらに、ゼミのメンバーは組織の一員として、また一音楽家としての責任と使命をその演奏会の役割においてまっとうし、 短期間のうちに様々な視点からのスキルを高めていくことができるという意味で、ゼミは画期的な学習システムでもあると 考えられます。 延原ゼミの特徴としては、編曲にこだわっていることが挙げられます。 もちろんジャンルがクラシックのオリジナルにおいては編曲の必要はないわけですが、今は演奏者・聴衆共に様々な 楽器編成や音楽のジャンルをニーズとしています。 では、好ましい既成の譜面があるでしょうか? 街中でに入る楽譜の多くは、趣味で楽しむための不特定多数を対象とした 単純で簡素な編曲でしかありません。私達が音楽を芸術として捉え、個性的な表現を重視するためには、当然のことながら 楽譜を吟味することから始まります。料理に例えるならば、どんなに良い材料と良い腕前の料理人がいても、レシピが 良くなければ美味しい料理にはならない、つまり良いメロディと演奏家がいても、それをどういう楽譜にするのかが 音楽の重要な過程であると言えます。そして、私達は全国展開するチェーン店ではなく、1軒しかない延原ゼミでしか 味わえないソースやスープを駆使した音楽の品揃えと店の装飾やおもてなしをしたいと考えている次第です。 |